2006年07月07日

Rose Absolue / ANNICK GOUTAL

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「薔薇の香りの本当の魅力が分かるのは40代から、
 あるいは素敵に年を重ねてからなのよ」




と憧れの40代マダムに言われたのが、私が10代の頃。



当時、私は薔薇の香りが好きではありませんでした。

薔薇の香りについて「くさい」と心ない言葉を発した私を、
たしなめるでもなく、気分を害した様子もなく、
ただ穏やかにこう仰ったときの、
むしろ優しげに微笑んでいるような彼女のお顔を思い出します。



「40代」に根拠があるのかどうか知りませんが、
少なくとも、
30代〜40代の女性に薔薇の香りは人気があると、何かの本で読みました。
逆に10代ではあまり好きな香りに「薔薇」をあげる女性は多くなかったような・・・。

もちろん若くても薔薇の香りの魅力を分かる方はいらっしゃるでしょうし、
30.40代でも薔薇の香りが苦手という方はいらっしゃるでしょうけどね。
好みの問題だということは重々承知で、こう乱暴にまとめさせてください。



私は、と言えば、冒頭でも述べた通り、薔薇の香りが苦手でした。
何というか・・・
化粧品っぽい、古い、マッタリしている、
なんていう無礼な感想を抱いていたような気がします。


そんな私にとって、最も縁遠い筈だったフレグランス。


Rose Absolue / ANNICK GOUTAL


ボトルは金色の巾着袋に包まれています。品があって素敵・・・!

 50ml 21315円 / 100ml 30450円
 30mlボトルは日本で取り扱いはない、とバーニーズで言われました。


ブルガリア、トルコ、ダマスカス、グラース、エジプト、モロッコ。
6種類の薔薇のみで作られた、正に「ローズ・アプ(ブ)ソリュ」。
薔薇の香りが苦手だったら手に取るはずもない、めくるめく薔薇の世界。



これを手にした頃、丁度私はフローラルウォーター(芳香蒸留水)にはまっておりまして、
フローラルウォーターであれば薔薇の香りが全然OKであるのに気が付きました。
むしろ、良い香りかも・・・!なんて毎晩うっとりするほど。

10代の頃はあんなに苦手だったのに、
20代を数年過ぎて平気になったのね!と調子に乗った私は、
薔薇の香水が欲しくなり、

「薔薇がメインの香水をください」

とカウンターで申し上げたのでした。




で、薦められたのがこちらでした。

「ローズ・アプソリュ」、なんとまあ分かりやすい名前。
これで薔薇が入ってなければ詐欺ですな。
そして、「香りの成分は?」と伺ったら、
「薔薇です」とのシンプルなお答え。

なんてわかりやすいんだ!

分かりやすいものが大好きなわたくしとしては、
この点がツボに入ったので、よく試しもせずにボトル買いしてしまいました。
50mlなのにやけに高いなあ・・・と思いながら。





で、帰宅してから纏ってみて驚愕。

薔薇の香りしかしねえ

(そりゃそうだ)


トップ:薔薇
ミドル:薔薇
ラスト:薔薇


(そりゃそうだ)



撃沈でした。
フローラルウォーターの薔薇の香りは、やはり相当薄いもの。
濃度の濃いものは、やっぱりまだそんなに好きになってはいなかったのです。
とてもこれは私には纏えないと、お蔵入りを予感しました。

高価なものだし、私と違って薔薇の香りが好きな人はいるから、
誰かにあげようかなあ・・・とも思いました。



そんなとき思い出したのが、冒頭のマダムの言葉。



私が年を経るごとに、薔薇の香りの魅力が分かるとしたら。
この香りを諦めたくない、と思いました。











そして、今の私ですが。


今は、少しだけこの香りに寄り添えるようになった気がします。
「ああ、良い香り」と思うようになりました。



薔薇と一口に言っても、
種類によってその香りはフルーティーだったりパウダリーだったり。
この香りもそうなのでしょう。
私は品種による香りの違いが厳密に分かるほど鼻が鋭くないのですが、
少しだけ、トップ・ミドル・ラストと感じが変わってくるのが分かります。

朝露に濡れるフレッシュな薔薇、大輪の薔薇、可愛らしい薔薇、清楚な薔薇。
色々な薔薇が競演している。

個人的に乏しい文章力で香りを表現するなら、
全体を通して比較的パウダリーさがおさえられた、
割合「ピュアな薔薇」というイメージの香りがすると思います。
(*薔薇香水=パウダリーが多いという私の偏見のもとでの発言です)

「薔薇を模した」ではなく「薔薇そのもの」という意味での「ピュア」。

「ピュア」と言いながら、
ときどき酸味を感じることもありますが・・・
また付ける人の肌との相性で香り立ちが変わりそうな予感がします。

とても人間が纏えるものではないという畏怖を抱いたことも、
でも、これをつけこなしてみたいと渇望することもありました。
何か、付け続けていたら自分もほんものの薔薇になってしまうような、
そんな気がしたので(アリエネー)。

私にとって、香水というカテゴリからちょっとはずれた、不思議な液体です。




この香りが私に相応しいかと聞かれると答えはNO、
薔薇の香りの魅力を本当に理解できたかというとそれも答えはNO。
(やはり苦手だなと思う瞬間もあります)


でも、きっと、これから年を取るごとに、もっとこの香りを好きになるような予感がします。
いつか魅力を分かるようになりたいし、もし一生分からなくても追いかけていたい。
そういう意味で、私は既に薔薇の虜なのだと思います。




「女は年を取ったら価値がない」
「25歳過ぎたら女じゃない」

という心ない言葉を聞いたことがあります。
男性からだけではなくて、悲しいことに、同じ女性からも聞いたことがあるのです。

でも、そんな人にはあのマダムの言葉を教えてあげたい。


薔薇じゃなくてもいいのです。
いつか、特に興味のなかったある香りが、あなたの感性を捉える日がくるかもしれない。
色鮮やかに世界を染め上げる香りが、何年後、何十年後にあなたを待っているかもしれない。


香水じゃなくてもいいのかもしれない。
一生懸命年を重ねた人にしか出会えない何かがあるとしたら。




私は、年を取るのは怖くないです。



薔薇の香りが、憧れのマダムが、私を待っていてくれるから。


(そして元々老け顔なので、老けても怖くないぜ!)
(かわいそ・・・)


*眞子さんのブログ「浅葱と薄浅葱」のこちらの記事にトラックバック黒ハート
 薔薇好きにはたまらない「The Rose Book」のご紹介があります♪
posted by ル ブルー at 00:26| Comment(6) | TrackBack(1) | 香水エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うぅ〜む、良いお話を聞かせて頂きました。
ローズアプソリュ、素敵な香りですよね。
(私も、キャラ的にも肌質的にも似合わないというかはじかれるというか・・笑)
しかし本当にいつも思いますが、
表現の素晴らしいこと・・。
プリントアウトして持ち歩いても良いでしょうか(出たキモっ笑)

別に自分が30代だからという訳ではないのですが、
「若い方が良いに決まってる」という日本の風情には
ちょっと(いやかなり)疑問です。
イタリアやフランスなどでは、
円熟したマダムこそ若い男の憧れなのだと聞きます。
誰でも歳は取ってゆくものですから、
であれば、衰えてゆくものを嘆くよりも、
美しく歳を重ねようと試みる方が素敵ですよね。
(と、自戒の念を込めて言ってみました^^;)
「女は25歳まで」なんて言う男は蹴り飛ばすとして(笑
そう仰った女性の方には、
”自分だけはそうならないぞ!”と思って頂きたいものです・・。

何かすみません熱くなっちゃって。(>_<;;
Posted by じたこ at 2006年07月07日 19:36
こんにちは♪
私もル ブルーさんの香水記事大好きです。
これだけ深く想って貰えたなら作った調香師さんも幸せですよね。
私も薔薇の香り、28歳ぐらいから急に大好きになりました。
それまでは何だか青臭い香りに思えて…(笑)
以前ブログでも書いたのですが、女力が衰えてきてそれを補うために必要な香りが薔薇なのではないか、と思っていたのですが、成る程、女力がアップしてきたからこそ楽しめる香りでもあるのかもしれませんね。
そして思っていた以上に年齢を重ねるのは楽しいものです。

以上の話とは全く関係ありませんが、今日書いた記事からTBさせていただきましたのでご報告をば。
それから、RSSリストに加えて下さってありがとうございます♪とても嬉しかったです。
Posted by 眞子 at 2006年07月09日 17:20
じたこさん、こんにちは!

いつももったいないお言葉を、ありがとうございます。
励みになります・・・。
プププププリントアウトなんてとんでもない・・・!(゚Д゚)
魔よけくらいにしか役立ちませんよ(むしろ引きつけそう)

よく電車などで10代の女の子が
「20歳過ぎたらオバチャンだヨー」
と無邪気に言っているのを聞いて凹んでおりますが(笑)
きっと彼女たちには素敵な年上の友達がいないんだなーと思います。

私にはじたこさんを始めとして、
目標にしたい素敵な年上のお友達がいっぱいいるので幸せです。
いつまでも追いかけていきますので、よろしくお願いします(怖っ)
(というかオマエも素敵な年上でいられるようにがんばれ)
Posted by ル ブルー→じたこさんへ at 2006年07月11日 10:17
眞子さん、こんにちは!

トラックバックありがとうございます・・・!
こちらからもトラックバックを送らせて頂きました♪
のちほどコメントに伺いますね。

きっと日々や年を重ねる楽しさを知っている人が、
薔薇の香りを始めとして、
世の中にたくさんある豊かなものを楽しめるのではないかな、
なんて思います。(クサッ)
眞子さんのブログからは、生活を慈しんでいる様子がすごく伝わってきて、
素敵だなーと思っております(^^)
Posted by ル ブルー→眞子さんへ at 2006年07月11日 10:27
お久しぶりです、チャチュケです☆

やっぱりルブルーさんの香りの記事、とっても好きです(*'ー'*)
最後の『年を取るのは怖くない』というところ、すっごく素敵で痺れました!

数多くある薔薇の香りの中でも、このアニックのローズアブソリュは
『究極の薔薇香水』
って感じがします。
アニックのボトルがまた良いですよね。


私も薔薇の香りが本当に似合うようになるまで、まだまだ時間がかかりそうですが、
『今の自分にはまだ早い』
って憧れることのできる存在があることは幸せだなーと思ったりします☆
Posted by チャチュケ at 2006年07月29日 16:08
チャチュケさん、こんにちは!

こちらこそご無沙汰しております・・・!
というか、(こんなところでなんですが)おめでとうございます(^^)
どうぞお幸せに・・・!

チャチュケさんもバラの香りがお好きなんですよね。
いつもチャチュケさんの香水の口コミを拝見していて、
うーんいい女だ・・・
と思っていました。

なかなか筆が(キーボード?)がうわっすべりしてしまって、
思うように書けなくて、
誤解を招いてしまわないか香りに失礼なんじゃないか、
香水について書くときはびくびくしているので、
ほかならぬチャチュケさんにそう言っていただけて、
一安心&光栄です。
ありがとうございます・・・!
本当に、何かに憧れることって、
そうやって何かを追うことができる自分も
ちょっぴり好きになれちゃったりして、
幸せな循環がありますよね♪
Posted by ル ブルー→チャチュケさんへ at 2006年07月30日 16:15
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